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本ページは七生丘陵調査団・川島さんの投稿「日野の植物」(特にシダ植物)に
ついて特集しています。


2011年11月5日掲載
七生丘陵調査団の川島です。
今回は厳密には植物ではなくて、細菌(バクテリア)です。細菌類は自分で養分を作れず、他の生き物に寄生したりして生活に必要な
養分を吸収してます。ところが細菌類にも自分で養分を合成できる(独立栄養)仲間がいます。その一つが鉄細菌です。
鉄細菌は水中の鉄イオンを酸化するときに発生するエネルギーを使って、水と二酸化炭素を有機物に合成(同化)します。
光のエネルギーを使うのが光合成ですが、鉄細菌の場合には酸化するときのエネルギーを使うので、化学合成と呼ばれます。
鉄細菌はどこにでもいます。田んぼや水たまり、あるいは水の湧き出ている斜面などが鉄さび色になっていて、油を浮かべたように見
えることがあります。これは鉄細菌の代謝物(酸さび)によってこのように見え、この水を顕微鏡で観察すれば鉄細菌を見ることが出来ます。


2011年10月27日掲載
七生丘陵調査団の川島です。日野のシダ、その16。

1. ホソバシケシダ
林縁や道端などで見られる小形のシダです。葉は二形性
で、胞子を着ける実葉は、胞子を着けない裸葉にくらべて
細く長くなります。
2. ヘラシダ
葉の形がヘラ形をしているのでこの名があります。暖地生
のシダで、葉は長いものでは30cmを超えます。日野市の
植物目録には、記録がないようです。 

2011年9月23日掲載
七生丘陵調査団の川島です。日野のシダ、その15。

1. フユノハナワラビ
オオハナワラビと同じく、秋になって葉を広げるシダです。
寒蕨(カンワラビ)の名称で園芸店で売られていることが
あり、鉢植えの盆栽のように育ててる方も あると思います。
シダ植物は胞子が発芽すると、前葉体と呼ばれる数ミリの
大きさの体を作り、ここで受精して通常知られているシダの
体になります。ハナワラ ビの仲間の前葉体は地中に作られ
、なかなか見ることができません。私もこの仲間の前葉体は
未だ見られずにいます。丘陵地の日当たりの良い林下や
林縁で見ら れますが、市内ではオオハナワラビのほうがよ
く見られます。冬季には、葉は多少赤みを帯びるようです。
2. イワヒメワラビ
どちらかというと、やや雑草的に生えるシダです。保育社の
シダ図鑑にも、空き地のような荒れ地に多く見られるというよ
うな説明があったと思いました。市内 でも人家の庭先、畑や
空き地の縁のようなところ、石垣の隙間などでよく見られま
す。細長い茎(根茎)をのばしながら新しい葉を次々に展開
していきます。新 しい葉がのびるときにはシダの特徴でも
あるように葉は渦巻きを作りますが、ワラビやミドリヒメワラビ
とそっくりです。でも葉をよく見ると粗い毛が一面に生 えてい
るので区別できるでしょう。胞子嚢は葉の縁に着きます。冬
季には、葉は枯れます。

2011年9月14日掲載
七生丘陵調査団の川島です。日野のシダ、その14。

1. オオハナワラビ
9月になっても厳しい残暑が続いてますが、森の植物は
秋の気配を感じ、新しい葉を展開し始めました。オオハナ
ワラビは、丘陵のあちこちで目にします。葉は 夏の終わ
り頃に開き始めて冬を越し、翌年の春を過ぎると枯れる
冬緑生のシダです。葉の真ん中から出る胞子葉を花に
たとえて、この名があります。近縁のフユ ノハナワラビは、
市内ではオオハナワラビよりも見かけることが少ないよ
うです。
2. オニヤブソテツ
暖地の海岸近くでよく見かけるシダです。市内では、日当
たりの良い崖地や石垣で見られます。近縁のナガバヤブ
ソテツと紛らわしいですが、葉は厚くて強い光 沢があり、
羽片の基部が中軸を覆って見えます。市内では、半日陰
になるような場所ではナガバヤブソテツが、陽がよく当た
るような場所ではオニヤブソテツが 見られることが多いよ
うです。
 
3. イヌケホシダ
前にも紹介したシダです。園芸店や農家の温室やビニール
ハウスの脇などでよく見かけますが、完全に野生化?した
と思われる株を見つけました。日野の自然を 守る会の観
察会のおりに、多摩川の河川敷で堤防の石組みの隙間に
生えてるのを見つけました。本来は暖地のシダですが、
石組みの隙間は寒さが和らぐのでしょ うか。

2011年9月3日掲載 「イヌワラビの葉の形の変異」
七生丘陵調査団の川島です。市内で最も普通のシダであるイヌワラビは、葉の形にさまざまな個体変異が見られます。
この変異のため、うっかりすると同定違い をしてしまうことがあります。このあたりが、主として葉の特徴で同定しなければなら
ないシダの取っつきにくさになってるのかもしれません。以下の写真は、 すべてイヌワラビです。(2011/8/30投稿)

1.
比較的ほっそりとした、スマートな形の葉です。
羽片も細く、隣の羽片との間隔も広くなってます。
小羽片(裂片)の縁の鋸歯も目立ちません。
2.
この葉も、細くスマートな形をしています。1.と似ていますが、
よく見ると小羽片(裂片)の縁に鋸歯が発達していて、ギザ
ギザした感じがします(写真では分かりづらいかもしれません)。
 
3.
羽片は幅が広く、さらに隣の羽片とも重なっています。
下部の羽片(葉柄に近い部分の羽片)の基部にある小羽
片は、長く発達して耳状に伸びてます(イタチシダの仲間
がこのような特徴をもってます)。また羽片は、先端が急に
細くなる傾向があります。
4.
この葉も羽片の幅が広い傾向が見られますが、3.の葉のよう
に羽片の基部の小羽片は長くならず、やや短くなってます
(耳状に伸びてない)。羽片の先端も3.のように急に細くは
なってません。

2011年8月4日掲載
七生丘陵調査団の川島です。日野のシダ、その13。(2011/8/3投稿)

1.ナンゴクナライシダ
ナライシダは従来は1種類であったが、芹沢(1986)の
研究により、現在は3種類に分けられている。ナライシダ
類はカナワラビの仲間であるが、葉質が薄く、別属のよ
うな印象を受ける。
2.イヌカタヒバ
本来は琉球に産するシダであるが、栽培品が逸出して
日本全国に広まってるようである。市内でも各所に見ら
れる。カタヒバに比べて、葉はつんだ感じがする。最近、
シダ植物では初めて全ゲノムが解析された。
 
3.イワヒバ
まさか市内にイワヒバがあるとは! でもこの個体は、
栽培品からの逸出とみて間違いないだろう。イワヒバは
江戸時代から栽培が盛んに行われ、多 くの園芸品種が
知られている。この写真は、たまたま水路のカナダモを
除去しているところに出くわし、よく見たら水路の壁にくっ
ついていたもの。
4.ワラビ
これは誰もがよく知っているシダの一つであろう。しかし
成長した葉は、山菜として食用にするものとは、ずいぶん
と印象が変わる。大きく成長した 葉をワラビと判断するの
は、案外間違いやすいかもしれない。日当たりの良い草
原や斜面でよく見られるが、市内のどこにでも見られるわ
けではない。有毒成分 が含まれているので、食用とする
ときにはアク抜きが必要である。

2011年7月30日掲載
七生丘陵調査団の川島です。日野のシダ、その12。(2011/7/28投稿)

1.クマワラビ
丘陵地の林縁などでよく見られます。オクマワラビよりも
小形で葉の数も少なく、胞子嚢は葉の先端部に着く傾向
があります。葉柄基部の鱗片は、オ クマワラビよりも明る
い茶褐色をしています。オクマワラビとの雑種はアイノコク
マワラビと呼ばれ、両種の混成地では比較的よく目にしま
す。日野市内でも、 この雑種を見ることができます。
2.ジュウモンジシダ
葉の最下部の羽片はめだって大きくなるので、葉の全体
の形が十字形をしています。これにより、“十文字シダ”と
呼ばれます。八王子市の林下や渓 流沿いではごく普通
種ですが、日野市内では野生のものは見当たらないようで
す。写真は、ある寺院の境内で撮りましたが、植栽品の可
能性が高そうです。
 
3.ヤマイタチシダ
丘陵地の林縁の傾斜地(崖地)や岩の間などでよく見られ、
比較的明るい場所を好むようです。葉は厚くて光沢があり、
縁は内側に軽く巻き込んでま す。近縁のオオイタチシダと
区別がつけにくい個体があり、なかなか頭を悩ますシダで
す。胞子は発芽して前葉体を形成しますが、卵が精子と
受精せずに新個体 をつくる無融合生殖をします。
4.ナガバヤブソテツ
あまり馴染みのない名前かもしれません。オニヤブソテツ
と混同されることが多いシダです。オニヤブソテツよりも葉
は薄い傾向があり、また羽片の 基部は楔形をしていてオ
ニヤブソテツのように基部が葉軸に被さることはありませ
ん。オニヤブソテツは海岸近くでよく見られますが、ナガバ
ヤブソテツは内陸 部で見られます。日野市内の林縁など
で見られるのは殆どがナガバヤブソテツであり、オニヤブソ
テツは大変少ないです。

2011年7月30日掲載
七生丘陵調査団の川島です。市内でマンネンタケと思われるキノコを見つけました。マンネンタケは、健康食品(薬用?)や
お飾り(インテリア)などいろいろ 話題になりますね。以前に都心でウバメガシについてるのを見たことがあります。
今回のはウメについてました。(キノコについてはあまり詳しくないので、誤 りがありましたらご指摘ください)
(2011/7/26投稿)


2011年7月23日掲載
七生丘陵調査団の川島です。日野のシダ、その11。

1.オオバノイノモトソウ
胞子をつける葉(実葉または胞子葉という)と胞子をつけない
葉(裸葉または栄養葉)との区別があります。写真の葉は実
葉です。明るい林縁の傾斜 地などでよく見かけます。近縁の
イノモトソウに比べて大型になり(大きな葉では、50〜60cm
くらいになる)、また葉軸に羽片が翼を作らないことから区 別
できます。
2.イノデ
杉林の林下などでよく見られ、葉全体に茶褐色の鱗片が密生しています。この様子から“猪の手”と名付けられたようです。葉をロゼッタ状につけ、 大きな葉は1mくらいの長さになります。イノデ類は、市内では他にアスカイノデとアイアスカイノデが見られます。この仲間は特徴がどれも大変よく似ていて 見分けにくく、図鑑などで調べても同定が難しいうえに雑種が出来やすいので、シダを勉強するうえで大変に悩まされます。
3.クリハラン
葉が栗の葉に似ているので“栗葉らん”と呼ばれます。5〜6
mmくらいの太さの茎を伸ばしながら葉をつけ、長い葉は50cm
くらいになります。 関東以西の暖地で、沢沿いの苔むした岩
上などに見られます。この写真は市内のある寺院の境内で
撮ったものですが、逸出または植栽されたものと思われます。
4.シノブカグマ
本来は、標高1000〜2000mの亜高山帯の林下で見られるシダです。標高が100m少しの市内で見られるとは驚きです。この写真の株は生育 している場所の環境から判断して、明らかに野生の、自然状態の個体と思われます。東京都のRed Dataでは、南多摩地域では絶滅危惧種TB類に指定されているようであり、日野市だけでなく東京(奥多摩の山岳地帯を除く)にとっても大変貴重なものと いえます。

2011年7月18日掲載
七生丘陵調査団の川島です。暑さの盛りですが、高幡不動尊境内の裏山、高幡山ではヤマユリの花が見頃です。


2011年7月16日掲載
七生丘陵調査団の川島です。シダ写真、その10。
市内でシダ植物を観察しやすい場所としては、高幡不動尊の境内の裏山、七生公園、南平丘陵公園、黒川清流公園沿いなどです。
平地よりは多少とも 傾斜している林下の湿った場所で直射日光があまり当たらないところ、あるいは崖や石垣のような場所に多く
見られます。南面よりも北面を好んで生えてること が多く、ノキシノブも多くは幹の北側に着生してるのが見られます。

1.トラノオシダ
虎の尾のように見えるので、この名があるようです。丘陵地の林縁(道端)や石垣の隙間など、明るい場所でよく見られます。市内では比較的広範囲に分布してるようです。
2.イヌシダ
全長が15〜20cmくらいで、全体に細かい毛が生えています。崖や石垣の隙間のようなところで見かけます。
3.ニシキシダ
イヌワラビノ変種です。全体が紫色を帯び、羽軸の付近が白く斑入りになります。イヌワラビが生えてる場所を探すと見つかることが多いです。園芸愛好家が栽培してることもあります。
4.イワガネソウ
沢沿いや湿った林下に見られます。大きな葉では1mくらいになることもあります。近縁のイワガネゼンマイと間違えやすいですが、葉脈が結合して網目を作るので区別できます(イワガネゼンマイの葉脈は平行状になってる)。市内では七生地区周辺で見られます。

2011年7月9日掲載
七生丘陵調査団の川島です。日野のシダ写真、その9。

1.ホシダ
林縁の明るい斜面で見られます。名は“帆シダ”の意味で、葉の先(頂片)が船の帆のように見えることによります。暖地では雑草のように繁茂しますが、市内では程久保と百草で数株が見られるだけです。
2.ホラシノブ
日当たりの良い斜面や崖地で見られます。一見シノブのように見えますが、シノブとは科が異なります。本来はどこにでも見られるシダですが、市内では極めて少数が見られるだけです。
3.カニクサ
シダ植物では珍しく、つる(蔓)になります。日当たりの良い林縁などで見られ、他の植物などに絡みつきます。つるの根もとから先端までが1枚の 葉で、条件が良ければつるはどんどん成長します。つるの先端までが1枚の葉ですから、よく成長した葉では数mの長さになります。市内でよく見られるシダの 一つです。
4.イヌケホシダ
本来は亜熱帯地方で見られるシダのようですが、都内でも所々で見つかります。見つかる場所は、園芸店や農家の温室、あるいはその周辺が多いようです。たぶん観葉植物などに紛れて広まったのではと思います。この写真も、市内の園芸店の温室脇で撮りました。

2011年7月2日掲載
七生丘陵調査団の川島です。日野のシダ写真、その8です。

1.オオイタチシダ
大きな葉は、50〜60cmになります。林下や林縁の、比較的明るいところを好むようです。決して珍しいシダではなく、市内では平山、程久保、百草でみられますが、それほど多くは産しないようです。
2.オオベニシダ
ベニシダに比べ、葉は光沢が無く、幅広くなります。色も黄緑色をしてます。ベニシダのように新葉が紅色になったり、胞膜の中心が紅くなることはありません。まれに胞膜の中心が紅くなる個体が見つかりますが、これにはホウベニオオベニシダの名があります。
3.オシダ
雄シダの意味でしょうか。大きな葉は1mを超えることもあります。冷涼な気候を好み、富士山のスバルライン沿いでは群落が見られます。写真のオシダは、栽培品が逸出したものでしょう。本来の自生は市内には無いようです。
4.ヒメノキシノブ
ノキシノブに比べて、葉の長さは5〜6cmで先端は丸くなってます。根茎は細長く伸び、葉はまばらに着きます。ノキシノブよりも木の高い位置に着生するようです。市内では1カ所しか見つかってませんが、近隣では平山城址公園(八王子市)でも見られます。

2011年6月25日掲載
七生丘陵調査団の川島です。市内に食虫植物のタヌキモがあることが分かりました。容器に入れて写真を撮ってますので、少々
見づらいかもしれません。もう1枚はウキゴケと思われるコケ植物です。

1.タヌキモ
この仲間はあまり目にすることも無く、正確には同定できてませんが、水生食虫植物のタヌキモと思われます。タヌキモは、“日野市環境情報セン ター年報 vol.3 日野市の高等植物目録”にも記載がないようです。初お目見えでしょうか?水生植物は案外見落としがちかもしれません。丹念に調べれば、第2、 第3の産地も見つかると思います。環境省のRED DATAでは準絶滅危惧種になってるようですが、開発が進めば案外簡単に市内から絶滅してしまうかもしれません。この写真でも、切れ込んだ葉に捕虫嚢が付 いてるのが見られます。
2.ウキゴケ
同じく水生植物のウキゴケと思われます。このコケ植物は、観賞用水槽で栽培されるリシアの仲間です。きれいな水の流れる水路で見られますが、環境が変われば絶滅してしまうかもしれません。タヌキモ同様、準絶滅危惧種になってるようです。

2011年6月25日掲載
七生丘陵調査団の川島です。日野のシダ写真、その7です。

1.ヤブソテツ
藪蘇鉄の意味でしょうか。ヤブソテツの仲間は、市内ではこの他に“ヤマヤブソテツ、オニヤブソテツ、ナガバヤブソテツ”が見られます。
2.シケシダ
湿気シダの意味のようですね。名前のとおり、林縁や沢沿いの湿った場所で多く見られます。
3.ホウライシダ
これは栽培品からの逸出の可能性が高そうです。本来は東海以西の暖地に見られるシダですが、容姿が可愛いのでよく栽培されます。
 
4.ヒメワラビ
以前にミドリヒメワラビの写真の説明で、市内ではヒメワラビをまだ見たことが無いと書きました。いろいろ探しましたら、2カ所で見つけました。 ミドリヒメワラビが林下の湿った場所でよく見られるのに対して、ヒメワラビは林縁の比較的明るい場所を好むようです。日野市内ではミドリヒメワラビは多産 しますがヒメワラビは大変に少なく、南平丘陵公園や高幡不動尊の裏山、七生公園などでよく見られるものも、殆どがミドリヒメワラビです。
5.マルバベニシダ
ベニシダの仲間ですが、市内では大変に珍しい種類です。今までに探したところ、3株だけ見つかってます。

2011年6月18日掲載
七生丘陵調査団の川島です。日野のシダ写真、その6です。

1.イヌワラビ
それこそ市内でもっとも一般的なシダでしょう。林の中、林縁、石垣の隙間、庭の片隅など、さまざまな場所で見られます。地下の根茎をのばしていつの間にかはびこるので、雑草扱いされることもあります。
2.オクマワラビ
林の中などで見られます。株立ちになり、大きな葉は、70〜80cmくらいになります。
3.マメヅタ
1cmくらいの丸い葉を多数着けます。乾燥に強く、樹皮や岩などに着生します。胞子は初冬のころに熟します。市内では2カ所で見られるようですが、日野市では珍しいシダと言えるかもしれません。
4.シノブ
しのぶ玉を作り風鈴をつり下げると、それこそ夏の風物詩です。栽培されてる方も多いでしょう。市内では2カ所で野生状態のを確認してますが、元々の自生なのか、あるいは栽培品の胞子が飛んで増えたのかはわかりません。
5.マツバラン
根も葉もなく体は茎のみという、原始的な特徴を残したシダ
です。絶滅が危惧されているシダで、市内ではたった1カ所
でしか見つかってません。園芸愛好家が栽培してることもあ
るので、その胞子が飛んで来て増えた可能性は否定できま
せんが。

2011年6月11日掲載
七生丘陵調査団の川島です。日野のシダ、その5です。

1.スギナ
これは誰でもご存じですね。ツクシは、スギナの胞子葉(胞子を着ける葉)です。春一番にツクシが芽(葉)を出し、その後にスギナが葉を伸ばします。
2.ウラジロ
お正月のお飾りにするシダです。暖地では雑草のごとく茂りますが、日野を始め、東京ではあまり見かけることが無い存在です。
3.フモトシダ
これも暖かい地方でよく見られるシダです。市内では林縁の傾斜地で多く見られます。
4.リョウトウイタチシダ(ヒメイタチシダ)
シダに詳しい方なら、リョウトウイタチシダなんて図鑑にも載ってないし聞いたこともないぞと思われるのでは? 関東地方に産するヒメイタチシダ は芹沢の研究により、以前から知られていたヒメイタチシダとは区別され、別種で中国で採集されたリョウトウイタチシダとの見解が示されています。ここでは 芹沢の見解に従って、リョウトウイタチシダと同定しました。市内では、ただ一株のみ見つかっております。目録では市内でも過去にヒメイタチシダの記録があ るようですが、どちらに分類されるのでしょう。標本があればよいのですが。(芹沢の見解では、従来のヒメイタチシダは東京では極めて稀だそうです)

2011年6月4日掲載
引き続き、シダの写真を投稿いたします。七生丘陵調査団の川島です。
日野市内で見られるシダの写真を投稿いたします。

1.ミゾシダ
湿った林下でよく見られます。高幡不動尊の境内や七生丘陵公園には多産し、斜面に群生する傾向があります。

2.ハリガネワラビ
これも湿った林下で多く見られるシダです。よく見ると、細かい毛が生えてます。
3.コバノヒノキシダ
石垣の隙間などでよく見られる、小形のシダです。比較的、明るい場所を好むようです。
4.ヤワラシダ
丘陵地の林縁で見かけます。名前のように、柔らかな感じのするシダです。

2011年5月31日掲載
引き続き、シダの写真を投稿いたします。七生丘陵調査団の川島です。
5月も下旬となり、シダの新葉も緑濃くなってきました。東京も既に梅雨入りしましたが、雨に濡れたシダの葉は、一段と趣が増します。

1.リョウメンシダ
日野市内では、丘陵沿いの湿り気の多い、日陰になる場所で見られます。葉は、表と裏の区別が無いように見えるので、“両面しだ”の名があります
2.キヨタキシダ
このシダも、湿り気の多い陰地を好むようです。
3.ヤマイヌワラビ
イヌワラビよりも大型になり、軸は紫色を帯びてることが多いです。市内には、あまり多くは見かけません。
4.コモチシダ
名前の通り、葉の表面に無性芽(小さな子供の芽)を着け、これがこぼれて子孫を殖やすことができます。写真の葉には、残念ながら無性芽は着いて ませんでした。暖地で見られるシダであり、日野市内では、産地は一カ所しか見つかってないようです。日野市の周辺では、町田市、稲城市、八王子市でも見ら れます。
5.ミサキカグマ
丘陵地の、明るい傾斜地で見られます。このシダに
よく似ている種類としてサクライカグマが知られてます
が、サクライカグマはまだ市内では見つかってないよう
です。稲城市でも見つかってますから、もし市内でサク
ライカグマを見つけられた方、ぜひお知らせください。

2011年5月28日掲載
引き続き、シダの写真を投稿いたします。七生丘陵調査団の川島です。
日野市内のシダ植物を紹介いたします。撮影はすべて20011年5月25日で、場所は七生地区です。

1.ヘビノネゴザ
蛇の寝茣蓙の意味でしょうか。
2.イノモトソウ
石垣の間などでよく見られます。
3.ゲジゲジシダ
節足動物のゲジ(ゲジゲジ)に似てるからとか。
4.クサソテツ
山菜のコゴミです。庭に植えてる方もいらっしゃると思います。この株も栽培品の逸出と思われます。
5.コンテリクラマゴケ
中国原産と言われてます。葉が青緑色に輝いて見え、
大変綺麗なので、栽培されてる方もいらっしゃること
でしょう。紺照り鞍馬苔と書くようですが、コケではなく
てシダ植物です。

2011年5月26日掲載
七生丘陵調査団の川島です。 日野市内の植物写真を、シダ植物を中心に投稿いたします。

1.ノキシノブ
日野市内では樹皮に着生してるのが多く見られます。

2.コウヤワラビ
3.タチシノブ
よくシノブと間違えられます。根茎はシノブのように細く這わずに塊状になります。
4.ミドリヒメワラビ
日野市の植物目録では“少ない”となってますが、ごく普通種です。近縁のヒメワラビと誤認されてるのではないでしょうか。ヒメワラビは、市内ではまだ見たことがありません。

2011年5月17日掲載
七生調査団の川島です。七生丘陵の植物の写真です。

ベニシダ 
名前のように、新葉は紅く色づきます。胞子嚢をおおう胞膜も、紅く色づきます。(2011年5月15日)
ゼンマイ 
水の滴る崖に生えてます。(2011年5月17日)
ヤセウツボ 
寄生性の帰化植物です。(2011年5月17日)
ヒメシダ 
日当たりのよい、やや湿った場所に生えてます。
(2011年5月17日)
ノイバラ 
よい香りがします。(2011年5月17日)