金子凱彦の野鳥調査  129回
                               日野の自然を守る会 金子凱彦

●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
 同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京
都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清
流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約
60,000㎡の雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所
から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池
」、「あずまや池」の名が付いています。
調査は黒川清流公園東端の中央線脇にある「ひょうたん
池」から西へカワセミハウス(2017年4月OPEN)、マンション・ヴィ-クコ-ト豊田、多摩平第6公園、
山王下公園、清水谷公園の池まで約1.7kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した野鳥の種類
と数を記録します。


黒川清流公園内の表示板に説明を増やし作成

●調査日 2018年7月3日(火) くもり

<調査結果>
(1)カルガモ4 (2)キジバト3 (3)ツミ1 (4)アオゲラ1 (5)シボソガラス2
(6)ハシブトガラス2 (7)シジュウカラ3 (8)ツバメ2 (9)ヒヨドリ3 (10)ムクドリ16+
(11)ドバト2 (12)ガビチョウ1

<備考>
〇久しぶりにツミの声を聞く。この数年本調査地ではツミの営巣がない。
〇アオゲラが一声鳴き林に姿を消した。黒川の林に帰って来たのか?
〇これからは野鳥の少なくなる季節である。本日は11種39羽であったが、昨年(17年)
 の7月4日は11種166羽であった、うち100羽ほどは南側の人家群から黒川公園にかけて
 飛び回るムクドリの大群であった。
 

●調査日 2018年7月14日(土) 晴れ

<調査結果>
(1)カルガモ8 (2)キジバト6 (3)アオゲラ1 (4)ハシボソガラス4 (5)シジュウカラ5
(6)ツバメ3  (7)ヒヨドリ8 (8)ウグイス1 (9)ムクドリ8   (10)ハクセキレイ1
(11)ドバト12


<備考>

〇調査スタート早々にアオゲラの声を聞く。黒川に帰って来たようだ。
〇ウグイスが声高らかに囀っていた。移動の途中に寄ったのだろう、翌日からは声を聞く
 ことはなかった
〇水路わきでハクセキレイに出合う、若い個体であった。

●調査日 2018年7月30日(月) くもり

<調査結果>
(1)カルガモ3 (2)キジバト3 (3)トビ1 (4)オナガ5 (5)ハシボソガラス2
(6)ハシブトガラス3 (7)シジュウカラ5 (8)ツバメ1 (9)ヒヨドリ4 (10)スズメ2
(11)ドバト7 (12)ガビチョウ2


<備考>

〇多摩平側上空からトビが悠々と南側の平山方向に飛ぶ。黒川公園上空ではカラス2羽が
 追うがすぐ2羽は引き返してしまった。
〇久しぶりに清水谷公園でオナガの声を聞く。東にゆっくり移動していた。


<特記事項>
7月22日(日)の夕方、黒川清流公園の大池が白く濁っていた。上流のわきみず池周辺か
ら白濁水が発生しており、下流の大池に流れ込んでいたのだ。わきみず池は底が見えない
ほど濁っていた。翌、月曜日の朝市役所の「緑と清流課」に連絡をする。
この件を日野市HPで7月25日にプレスリリースした。「東豊田緑地保全地域(黒川清流
公園)における白濁水の発生等について」□発生状況 東京都環境局および日野市は、7月
23日に現地に職員を派遣し、「わきみず池」周辺から白濁水が発生しているとともに、湧水
群のうち一部の地点で枯渇しているのを確認する。□都が現場で実施した簡易検査(水素
イオン濃度(pH)、溶存酸素(DO)、電気伝導度、シアン、六価クロム、カルシウム)
では、異常は確認されなかった。 原因は調査中 等々
以後段丘崖の北側、多摩平の台地で行われていたマンション建設に伴うボーリング工事は
中断しているようだ。工事が黒川清流公園の湧水群に影響が出るのではないかとの危惧が
現実になってしまった。
 

△7月22日の夕方、白濁水でわきみず池の底が見えない
 

△7月23日朝、多摩平の工事関係者が様子を見に来る
 

△7月23日朝 あずまや池の白濁水は水路に出て下流(右側)の大池に溜まった
 

△7月23日 第2コーポラス前の湧水が涸れた