P・I ウォッチングのページ(植物)    

P はplant(植物)、I はInsect(昆虫)を表します。
植物は長岡総子さんが担当しています。


2011年10月25日掲載
ミニ観察会 P.I.ウォッチング(10) 「里山保全地域、あきる野市横沢入で秋を観る」 
10月8日(土) 担当:立川絹代、森川正昭、長岡総子
コース:JR五日市線武蔵増戸駅〜横沢入〜大悲願寺〜武蔵増戸駅
 天気に恵まれた秋の1日、東京都がはじめて指定した里山保全地域を歩いた。キバナアキギリが花盛り。
アカバナ、ハッカなどが咲く谷戸の池から、眺望の良い天竺山に登り、モミの木の下で昼食。台風15号の後で
倒木も多い中、石切り場跡を抜け、中央池に。実習中の幼児教育を目指す学生たちとの交流もあって楽しかった。
写真がよくなくて残念!

写真1.
入り口の看板
写真2.
コース図
写真3.
アカバナ(アカバナ科アカバナ属):
赤紫の花と突き出る細い棒状の実。
写真4.
サンカクイ(カヤツリグサ科ホタルイ属):茎は三角形、花序より上の葉のように見えるのは1個の苞。小穂は2〜3個つく。
写真5.
ハッカ(シソ科ハッカ属):湿生地に多い。これは在来種。
写真6
メナモミ(キク科メナモミ属):谷戸から富田入を登る途中はメナモミだらけ。茎や葉は毛だらけ。黄色の花は満開。
写真7.
ケヤブハギ(マメ科ヌスビトハギ属):小葉は3枚。
ヌスビトハギのように葉が茎の上部までつかない。
下部の1箇所に集中してつき葉に毛が多い。
実は少々赤みを帯びる。ヌスビトハギ、小葉が
5〜7枚あるフジカンゾウなども多い。
写真8.
イシミカワ(タデ科タデ属):茎はトゲだらけ。葉柄のつく場所
が葉の基部から少し離れたところ、楯状につく。円形の托葉
も特徴。実が青藍色になりかけ。

2011年10月10日掲載 初秋の河原植物(9月)
多摩川の河川敷では台風15号の影響でハリエンジュやヤナギ類の倒木が目立ったが、カワラケツメイは黄色い
小さな花を少し残しながら、多くの実をつけていた。

写真1.カワラケツメイ
(マメ科カワラケツメイ属)

学名は
Caccia nomame. ノマメは日本名。
長さ
3~4cmのマメが多数ついていた。
株数もかなり増えている。
これは浅川の河川敷で撮影。 

写真2.オオフタバムグラ
(アカネ科オオフタバムグラ属)

花もそろそろ終わりかけていた。北アメリカ原産の
1年草。
1020cmほどの高さの1年草だが、年々生育地域が拡大し
ている。多摩川の生態系保持空間に大群落ができ、カワラナ
デシコ、カワラヨモギを圧迫するほど。なぜ、ここに大繁殖
しているのか以前から気になっている。

写真3.アキノノゲシ
(キク科アキノノゲシ属)

草丈が
1m前後、茎の上部に淡黄色の花
を多数つける。これが咲くと秋。
写真4.フシグロ(ナデシコ科マンテマ属)
草丈数
10センチ、茎の節が黒いのが特徴。個体数は多く
ない。

2011年10月10日掲載 初秋の多摩丘陵(9月)
台風の影響でコナラなど多くの樹木が倒れ、枝が折れ、丘陵の散策路をふさぐ。業者さんたちはその片づけに大忙し
の状況だった。

写真5.カラスウリ
(ウリ科カラスウリ属)

まだ青い若い果実。晩秋には赤く色
づく。

写真6.ノササゲ(マメ科ノササゲ属)
葉の裏が白っぽいツル植物。淡黄色の花多数。この時期はヤブマメの
紫の花も開花。

写真7.ゴンズイ(ミツバウツギ科ゴンズイ属)
落葉小高木。葉は対生で光沢のある奇数羽状複葉。果皮は赤く、
熟すと裂開し、黒光りする種子がのぞく。赤と黒が目立つ果実。


2011年8月14日掲載
ミニ観察会 P.I.ウォッチングH 「夏の夕方、多摩川の河原でタマムシと植物を観る」  <日野市> 
8月6日(土) 担当:森川正昭、立川絹代、長岡総子
コース:多摩モノレール万願寺駅⇔多摩川河原
 多摩川と浅川が合流する付近の土手下のエノキの周りをヤマトタマムシが飛び交う。光沢のある緑や青の玉虫色
の羽に皆感嘆し観察!植物では、池の中に咲くミクリの花、池の畔に咲く満開のクサギの花を観察した後、河原に
下り、『カワラ』と名のつく礫河原特有の植物を観る。カワラナデシコは満開。カワラサイコは残り花がいくつか、
大部分は実をつけていた。カワラニガナの花も終わりかけ、カワラヨモギは蕾をつける。もうすぐ秋!その他、
シナダレスズメガヤ、オオフタバムグラ、ツボミオオバコ、コゴメバオトギリなどの外来種は、ますます河原で
我が物顔に勢力を広げていた。

写真1.
ミクリ(ミクリ科ミクリ属)
栗のイガのような形の果実、枝の上部の黄色い雄頭花、
下部の白い柱頭が目立つ雌頭花。小さい花が多数集まり、
球形の花になっている。
写真2.
カワラヨモギ(キク科ヨモギ属)
ヨモギ同様、風媒花で花粉の媒介を虫に頼らない。花は地味で小さい。すでにつぼみが沢山ついていた。花を付けない短い茎のロゼット状の葉はコスモスのように細く切れ込み、乾燥から身を守るためか白い毛が密生していて美しい
写真3.
クサギ(クマツヅラ科クサギ属)
葉はピーナツのような特有のにおい、だが、花の香りは素
晴らしい。花は自家受粉を避けるため雄しべが先に熟して
花粉を出す。写真では雄しべが斜め上に突き出し、1本の
雌しべはまだ垂れ下がっている(雄性期)。遅れて2日後に
は雌しべが斜め上に突き出し、先は二又にわかれて開き、
花粉を受け入れる。そのときには雄しべは垂れ下がってし
まう(雌性期)。アゲハチョウなどの仲間がこの花を好む。
写真4.
カワラナデシコ(ナデシコ科ナデシコ属、別名ナデシコ)
今年もピンクの花を沢山咲かせていた。7月はじめの台風の影響か、色、花の大きさに少々元気がない(女子サッカー応援疲れ?)。外に開出する部分の花弁は細かく糸状に裂け。花弁下部は萼筒の細い部分に収められている。北海道のエゾカワラナデシコ、高山に咲くタカネナデシコも同じ仲間。その他シナノナデシコ、海岸に咲くハマナデシコなど、いずれも厳しい環境の中で美しく咲く。母の日に贈る園芸品のカーネーションも同じ属(Dianthus)。
写真5.
テリハノイバラ(バラ科バラ属)
白い大きな花が数個、咲き残っていた。葉に光沢があり、
托葉がノイバラのように櫛の歯状に深く切れ込まない。
海岸や河原など日の当るところに多い。
写真6
カワラケツメイ(マメ科カワラケツメイ属)
黄色い花の蕾は見られなかったが、今年も元気に細い茎を出し、小群落の状態。
写真7.
ガガイモ(ガガイモ科ガガイモ属)
土手のあちこちで満開。茎を切ると白い乳液が出る。葉の
基部は心形。花の内側には白い毛が密生し、まるで毛布の
よう。雌しべと雄しべは合着してずい柱をつくっている。
写真8.
ガガイモ
写真9.
アメリカネナシカズラ(ヒルガオ科ネナシカズラ属)
カワラヨモギにからみついたつる性の寄生植物。
雄しべは花弁より突き出ていて花柱は2個。