P・I ウォッチングのページ(植物)    

P はplant(植物)、I はInsect(昆虫)を表します。
植物は長岡総子さんが担当しています。


12月4日掲載
『紅葉の高幡不動を歩く』
20101128日(日)―
高幡不動尊から高幡城址へ、紅葉真っ盛りの散策路を歩きました。この季節、花はわずかですが、
お色直しした樹々の葉、次の世代に備えた草木の果実、不適な時期を過ごすための越冬芽(冬芽)など、
中学生や幼児、シダに詳しい方の助言も交え、楽しく観察しました。出会った一部の植物を紹介します。

写真1:イロハモミジ(カエデ科)
高幡不動のカエデはイロハモミジが多い。
写真2: イロハモミジ(左)とオオモミジ(右)
イロハモミジの裂片は披針形で細め、先がとがる。
オオモミジの裂片は少し膨れて、楕円形っぽい。
写真3:カエデ類の紅葉、色とりどり。 写真4:ゴンズイ(ミツバウツギ科)
赤い果皮の実がはじけ、中から黒い種子がのぞく。
今年は実がたわわなゴンズイをあちこちで見かけた。
写真4-2:ゴンズイ(ミツバウツギ科)
葉:羽状複葉で対生、光沢がある。
写真5:ネジキ(ツツジ科)
幹:樹皮は縦に裂け目があり、ねじれているのが特徴。乾燥した丘陵尾根部に何本もあった。
写真5-2:ネジキ(ツツジ科)
数個の実が残っていた。初夏に白い花が咲いたあ
とがうかがえる。幹がねじれ、有毒植物で、白い花
という点はアセビに似る。
真6:コアジサイ(ユキノシタ科)
飾り花のないアジサイ、黄葉がきれい。
小さな狂い咲きの花が中心に見える。
写真7:ヤツデ(ウコギ科)
よくみれば純白の冬の花。昆虫も少なくなる季節、
たくさんの花をつけ、残り少ない虫たちを独り占め
するかのよう。自家受粉をさけるため雄しべが先に
熟す。
写真8:ジャノヒゲ(ユリ科)
中学生たちが、いち早くるり色の実をみつけた。つく
と、鞠(まり)のようにはずむ。
写真9:ヤクシソウ(キク科)
草丈は80cmぐらい。黄色い舌状花は上を向き、
花が終わると下を向く。2年草で1年目は根生
葉(ロゼット)ですごし、2年目に茎が伸び、花を
咲かせて、枯れる。茎をちぎると白い汁が出る。
写真10:ノササゲ(マメ科)
熟して淡紫色になった豆果がはじけ、濃い紫色の種
子が顔を出した。
写真11:ミドリヒメワラビ(ヒメシダ科)
小羽片に短い柄があり、羽軸に翼。
写真12:オオハナワラビ(ハナヤスリ科)
冬緑性のシダで斜面下部の湿ったところに2〜3個体。フユノハナワラビとは違って栄養葉の小羽片に鋭い鋸歯がある。
写真13:クロマツ(マツ科)
愛宕山のクロマツ群ともよばれ、樹齢350年
のものも残る。第二次大戦中、松脂を採取し
たという傷跡がいたいたしい。めげずに元気
に生きている。
写真14:ウラジロガシ(ブナ科)
鋭い鋸歯と葉裏が白いのが特徴。高幡、百草では比較的よくみかける。